38週と5日。
病院としてなぜ帝王切開を勧めるかの説明を受け、
それでも自然分娩を望む場合は病院としてその意思を尊重すること、
大切なことなのであたしが納得する方法を決断すること。
そんなことを説明され…
超音波検査で3300gまで大きくなった若丸くんを見て先生は、
大きい赤ちゃんやねぇ。これはますます帝王切開の方が安心やね。
と言われた。
若丸くんと子宮を守るため。
決心した。
そして同意書にサインし、帝王切開の予定、つまり若丸くんのお誕生日が決まった。
その後麻酔科医の説明を受け、長い朝が終わった。
最近では4人に1人が帝王切開で産むという世の中。
あたしのまわりにも帝王切開で産んでいる友達や知り合いも多い。
今まで帝王切開で産んだのよ、と聞いても「へぇ、そうなんや。」としか思っておらず、そこまでにあったであろう複雑な気持ちに初めて気づくことができた。
決して帝王切開が悪いわけではない。
理由は人それぞれだけれど、赤ちゃんと母体の安全を考えての帝王切開であることに変わりはないのだから。
それでも自然分娩を望むものとしては、その痛みを知ることができないという悲しさは消せなかった。
そんなことを帝王切開で3人の子を産んだ友達に話したら、
「帝王切開も十分痛いから安心して笑。心の準備もできるし、いいわよ〜。結局ね、元気に産まれてくればなんでもいいのよ。あたしの妹なんて破水から30時間の陣痛に耐えた末、緊急帝王切開になって、縦に切って産んだけど、もう産まれてこればどうでもよくなるのよ。週末は美味しいもの食べて、お菓子買い込んで、のんびり過ごしなさい。楽しみじゃない。」
と言ってくれた。
さすが、母は強し。
あたしはこの友達の言葉にだいぶ救われた。
主人は若丸くんの誕生日が決まってから、
「ぼく、まもなくおとうさんです!」
と楽しみでしょうがないみたい。
そんな決断と決心までに至る若丸くんとの一心同体生活を一冊のノートにまとめた。
母になるまで残り3日。