壮大なタイトルですが、息子を産み母になる前に、この20年ぐらいを振り返ってみて思うことを綴っておこうと。
人生を変える(「変える」というには後付けで言うことであって、違う選択をする、と言う方が適切かな)機会はいくらでもあった。
あのときこうしてれば、
あのときああしてれば、
もっと生きたい道をゆき、理想とする自分になれたんじゃないか。
でもその理想とは今の自分があるから理想であって、
決断・選択をする時点でその選択肢がなかったから理想であって。
ドイツへ来た当初は、
いったい自分は何がしたいんだろう、
と何の取り柄もない自分とまわりをくらべては思ってた。
ヨーロッパの子たちは自分より自由に選択をして生きてきている気がしてしょうがなかった。
なりたいものになる、少なくともそれを目指すことはどの時点でもでき、
途中で違う方向へターンすることも許され、
できる限り自分の生きたい道に近い子が多い気がした。
日本では大学受験でその先の人生の選択肢が限られ、
ターンをすることが非常に難しい。
だから結局はひかれたレールの上を
そこに並ぶ選択肢の中から選んで歩いていくしかない。
結局自由に選択をすることも忘れてしまい、
ただ日々に追われ生きていくことになってきた気がする。
そんなことを主人に出会ってから気づいた。
あたしは失敗を恐れ、
見栄を張り、
挑戦を避けて人生を選択してきた。
自分ができる、と思うことだけを選択してきた。
だから後悔するんだと思う。
だから大きな失敗はないが、これといって自慢することのない平凡な人生なんだと。
そんなあたしでもわかったことはある。
ないものを羨望する生き方より
あるものに感謝する生き方の方が
ずっと難しく、それでいて幸せなんだと思う。
あたしの平凡な人生、
いまあるものに目を向けたら自分はこの上なく幸せだと思える。
それはやっぱり自分の選択の結果生きてきた人生で、今まわりにいる人たちと出逢ったから。
あたしはこれから国を動かしたり、世紀のイノベーションをしたり、人を惹きつけるパフォーマンスをしたりすることはできない。
でも、そんなあたしのまわりにいてくれる人たちとの縁を大切にしながら、
3歩ではなく1歩ぐらい先を見ながら、
失敗を恐れ過ぎずに、
これからの人生を築いていきたいと思う。
後悔しながら前に進むのが人生。
でも後悔に引きずられないように、
努力を忘れないように、
謙虚に自信を持って。
人が生きる、のが人生なのか
人を生かす、のか人生なのか。
あたしは、
人と生きる人生でありたい。
そんなことをふと思った。
母になるまで17日。