病院で迎える2日目、そして最後の朝。
部屋の片付けをし、先生の訪問を待った。
冷蔵庫からあたしのサンドイッチを出しては放り投げ、また入れては閉め、をエンドレスに繰り返す息子。
お陰で中身の飛び出したサンドイッチを食べることになった。
腕にはまだ点滴の先っぽが、腰にはEKG(心電図)モニター、ポシェットには血圧モニターがついたままの体は、今日も活発に動く。
1歳の入院は本当に大変だと思った。
自我も芽生え、動きたがり、じっとできない1歳児。
前の入院のときはそういう意味では楽だった。
寝てるだけだったもん。
今は抱けばおろせ、おろせば抱け。
歩けば何かに当たり、何かを放り投げ、それを拾い元に戻してひたすらついていき。
ベッドに置けばベッドの上を歩き回り、ベッドの柵にはさまるんじゃないかとひやひや。
看護婦さんが来れば、大泣き。
やっと慣れたかと思えば、夜間の看護婦さんに交代になり、また大泣き。
ベッドの上に置いてけず、売店に行くこともできず。
コロナのせいで、一歩も外へ出れず。
いや〜まいった。
冷たいお弁当を4回続けて食べたのにはさすがにまいった。
でも一方で幸せだな、とも思った。
だって、今日帰れるんだもの。
隣にはもう何ヶ月も、もしかすると生まれてからずっと病室で過ごしてるんだろうな、という子供がいた。
「3」ていう大きな風船が貼ってあったから、3歳になったんだろうか。
壁にはたくさんお絵描きや写真が貼ってあった。
その隣の隣も同じだった。
病気と戦っているこどもたちはたくさんいる。
外の空気も吸えない、太陽も浴びれない、着たいものを着て、食べたいものを食べれない。
スイミングへ行くことも、児童館へ行くこともできない。
きっと何をするにも管につながれてて、自由に動けない。
そんなこどもがいっぱいいる。
そして病院の外と内の世界を往復して生活を送る親たちがたくさんいる。
だから、若丸くんの心臓が治って、これまで家で元気に過ごせたこと、こうして3日で病院を出られること、
本当に、感謝です。
先生がやってきて、
2週間後に傷をみましょう。
それまではスイミング以外何してもいいから。
と言われて、お世話になりました、と病棟を出た。
下ではパパが待っていた。
1日半息子に会えなかったパパはうれしそうに息子を抱きしめていた。
さぁ、家族が揃った。
おうちへ帰ろう。
あ〜外の空気がおいしい!