若丸くんが大好きな絵本のひとつに「にほんのおはなしえほん」というのがありまして。
ボタンを押すと日本むかしばなしが流れてくるんですね。
若丸くんはこれにとてもハマっていた時期があって、朝起きてくるとまず本棚からこの本を出して「ピ」とボタンを押す。
表紙がぼろぼろになるくらい聞かされたので、収録されている10話を暗記できるほど覚えてしまったあたし。
聞き流しながらもいろいろと気づいたことがある。
まず一つ目。
ストーリーはだいたい「むか〜しむかし…」から始まり、その後おじいさんとおばあさんが登場する。
そして二つ目は、
おじいさんが主人公の場合は、必ずといっていいほどこころの優しいおじいさんに対し、意地悪で欲深いおじいさんが登場する。
三つ目。
そしてその場合は、こころの優しいおじいさんが幸せになり、意地悪なおじいさんが痛い目にあう。
四つ目。
それか、悪者(鬼や猿なんかが悪者にされることが多い)が登場し、最終的には退治される。
そう、あたしはこの半年ほどBGMのように「むか〜しむかし…」をエンドレスに聞かされていたんです。
若丸くんのおかげで、今まであまり聞かなかった昔話を聞くことができ、こういうお話しだったんか〜と意外にも知らない(忘れてる?)ことがわかった。
そして思ったことがあるんですね。
だいたい昔話には教訓が隠されていますよね。
たとえば「こぶとりじいさん」。
右のほっぺにこぶのあるおじいさんは、踊りが大好きで、こぶのあることは気に留めず、楽しく愉快に毎日を生きている。
左のほっぺにこぶのあるおじいさんは、そのこぶが嫌で嫌でしょうがなく、いつもいらいらして生きている。
最終的には、楽しく愉快に生きてきたおじいさんのこぶは鬼によって取ってもらえるが、いらいらして生きてきたおじいさんはこぶが二つになってしまう。
人を羨んで生きてはいけない。
そんな意味が隠されている。
「おむすびころりん」や「はなさかじいさん」は、見返りを求めず善良な行いをすることで、人には思わぬいいことが舞い込み、私利私欲にまみれた行動は自分を苦しめる、つまり因果応報ということ。
そんな中、なかなか解せないストーリーがあるわけですよ。
それが「浦島太郎」。
太郎はいじめられている亀を助けて、そのお礼に竜宮城へ招待され、玉手箱をもらうわけですよね。
そして陸へ帰ってくると、家はなくなり、お母さんは亡くなったと聞かされ、とんでもない月日が経っていたことに気付かされる。
そしてショックのあまり開けてはいかんと言われた玉手箱を開けてしまい、自分もおじいさんになってしまう、という誰もが知るお話。
これはあたしが気づいた昔話パターンから少々ずれてるわけですよ。
なんでいいことをした太郎に災いが降りかかってストーリーが終わるのか。
その秘密は玉手箱にあったんですね〜。
乙姫さんは絶対に開けるな、と言ったのに、太郎はその約束を破って開けてしまった。
それが教訓なんだって。
約束は守りなさいよ、って。
でも亀を助けてあげた心優しい青年に、結構厳しいよね。
まぁ、そんなことを思いながら、朝のパンをかじりコーヒーを飲む。
そんな最近。
学ぶことはまわりにたくさん落ちてます。