心拍がゆっくり目と言われたときはショックだった。
流産は誰にでも起こるもの、とわかってはいても、まさか自分が、と思っていたと思う。
だめかもしれない、と受け入れるまでにはしばらくかかった。
だめかもしれない、と思っていても、いや大丈夫かも、という気持ちは最後まで捨てることはできなかった。
でも、心拍が止まり稽留流産と告げられたときは、思っていたよりもしっかりしている自分がいた。
次を、先を、向いている自分がいた。
前回の妊娠より年齢を重ねたけど妊娠できた、という事実の方が私の中では大きかった。
だから意外にもすぐに前を向けた。
それに、正直、若丸くんの心疾患を告げられたあの日とは比べようもなかった。
あの日の方が100万倍辛かった。
今は若丸くんが隣で一生懸命喋り、歩く姿に傷は癒やされていった。
稽留流産後の処置はふた通りある。
自然排出か掻爬手術か。
年末も迫ってたし、手術をして、早く体を元に戻したかった。
先生はそれでもいいけど、手術のデメリットとしては2ヶ月は避妊と言われた。
1週間待って出てこなければ、年末の帰省までに手術しよう、ということになった。
そして、出血が始まった。