あたしは出産後3日で退院し、家に帰る予定だった。
しかし、手術が中止になった日、搾乳機が家にないことを知ったNICUのナースが、
「それは大変だから『両親部屋』に泊まりなさい。」
といってあたしたちのためにプライベートルームを用意してくれた。
出産後からほぼ睡眠がとれず、傷の痛みを抱えて病室とNICUの往復、そして手術が中止になりまだ先のことがわからない不安に、とにかくいったん帰って、シャワーを浴びて、着替え、2時間でもいいから自分のベッドで寝たいと思っていた。
でもそれは叶わなかった。
産後3日目にしてようやくおっぱいが出るようになった。
3時間ごとにおっぱいをあげるも若丸くんはもっと飲みたがり、搾乳していた母乳がみるみる減って追いつかなくなってしまった。
3時間おきにおっぱいをあげ、おしめを替え、搾乳し、その合間にドクターの検査が入った。
そうすると次の授乳の時間が来て、また繰り返し、あたしたちは自分の部屋へ戻る時間もなく、ごはんも食べられなかった。
夜中には搾乳部屋(っていうのがあるんです)に行き、搾乳をし、NICUに届けた。
そのしんどさからあたしは「搾乳合宿」に来てるんじゃないかと思うようになった。
これもすべて我が子のため!なんてかっこつける余裕なんてなく、とにかく先輩(ナースと主人)が怖いから搾乳をする、そんな感じでこの搾乳合宿はこのあと1週間続いた。