あたまは真っ白なようでぱんぱんに詰まっていて、
何も考えられないようでいろんな思いが駆け巡っていた。
主人に先生の説明をもう一回細かく聞いた。
何度も説明してほしかった。
そうすることでひとかけらずつ頭で噛み砕いていけるように。
とにかく今は小さすぎるので、4週間後の再検査を待つしかない。
他の可能性を排除するためにも羊水検査を受けた方がいいということ。
要約するとそういうことだった。
外は震える寒さだった。
でも寒いと言う余裕も寒さを感じる余裕さえもなかった。
今日はたまたま通常の診察もあったので、待ってる間にお母さんに電話した。
きっと何も心配してなかったお母さんが「もしもーし」と電話に出た瞬間、無意識に堪えていたものが崩れた。
この1時間に与えられた情報をお父さんとお母さんに伝えることによって、ようやく実感した。
そんな感じだったのかもしれない。
とにかくおばあちゃん(先生)のところへ向かった。
おばあちゃんのところでは尿検査、体重測定、血圧測定だけだった。
今朝超音波をしたからここではしないと。
がっかりした。
状況が変わるわけでもないのに、ここで見てもらうとただ元気な赤ちゃんだけが見れる気がした。
おばあちゃんは、いまは推測でしかないのでとにかく待つしかない。
それだけだった。
帰りのトラムでは一言も話さなかった。
話せなかった。
家についた瞬間、主人は突然寝室に行きドアを閉め泣き崩れてた。
3時を過ぎていた。
お昼も食べてなかったけど、全然お腹が空いてなかった。