旅編第二回ポルトガル(2019.9.19-9.24)リスボン1日目の続き。
アルファマはリスボンの旧市街で、細い石段の道が続く。
この日はいろいろ奇跡が起こった。
午後4時頃からウェディングフォトシュートを予定していた私たちは、それまで街を歩こうということで、アルファマを歩き始めた。
 リスボンって歩いてて思ったけど、なんだかタイムスリップしたような気になる、歴史の一片をあちこちに感じる、そんな街な気がした。
 それもそのはずだ。
 リスボンは世界的にも古い歴史のある都市のひとつで、西ヨーロッパでは最古の都市なんだって。
 あのローマより歴史は数百年さかのぼるらしいよ。
やっぱりいろんなものに重みを感じた。
 本物感!
 建物ひとつにしても、Azulejos(アズレージョ)と呼ばれる青い伝統タイルが敷き詰められた壁、ヨーロッパの土で作られた赤い瓦、色鮮やかな扉、石畳の床。
 やっぱり日本から来たあたしにとってはどれもが、
 「へぇー!」「わぁー!」「すごーい!」「きれー!」「かわいー!」
 なんですが、ヨーロッパの主人にとっては、
 「あ、それオランダも同じ。」
 「ぼくの街にもあるよ。」
 「つまちゃん、こういうの好きなの?」
 「ぼくの街にもあるよ。」
「。。。。。さいですか。」
主人にとっては、ひのきの柱、畳の部屋が「ええええすごい!」らしい。
 お互い、異国に憧れて、ってやつですな。
そんなこんなで歩き回った私たち。
 リスボン、とにかく坂が多い!
 どこへ行くにも坂、坂、坂。
 住んでるおばあちゃんとかすごいなーと思ったよ。
 自転車なんて絶対無理やもん。
 毎日あの坂を歩いて上ったり下ったりしてるんだろうか。
 すごいな。 
坂慣れしていない私たち30代夫婦はへとへとになり、タイムアウトマーケットへ。
 ここはロンドンに本拠を構え、Time Out magazineを世界中で出版する出版社が運営元のいわゆるフードコート。
 有名すぎるので行ってみました。
 この時点でリスボンのご飯の美味しさは理解しておりましたが、ここで食べたご飯がまた忘れられないくらい美味しかった!
 観光地化してるので、値段はちょっと高めだけど、リスボンに来たら行ってみてください。
 期待を裏切りません! 
ワインを一杯飲んで、ホテルへ戻り、ドレスに着替えた。
 そしてそれからの3時間は人生で忘れられないものになった。
すれ違う人、トラムに乗ってる人、窓から見てる人、カフェでお茶してる人。
 みんなが「Parabéns!」「Congratulations!」「Auguri!」(おめでとう)と言ってくれた。
 邪魔しないように走って道を抜けてくれたり、手を降ってくれた。
 本当にみんな優しかった。
 カメラマンは最後まで天気を気にしてくれて、柔軟に対応してくれた。
 そして素晴らしい写真を残してくれた。
 素敵な時間をありがとう。
 私たち夫婦にとって忘れられない、素晴らしい経験となった。
そしてその晩。
 3時間もカメラを向けられたの初めてだから、やっぱり緊張してたのかしら。
 どっと疲れた。
 何か食べようと歩いていると、2組ほど待っているちっちゃーいレストランを発見。
 2組やし並ぼか、ということで並んだ。
主人は誰とでもすぐに喋るタイプです。
 空港のカウンター、タクシーのおっちゃん、そしてオフコース!一緒にレストランに並ぶ人たち。
 主人は前に並ぶカップルと会話し始めた。
 二人はアイルランドから来たご夫婦で、とっても話好き。
 すぐに意気投合し、レストランの人は私たちが一つのグループと思ったほど。
 せまいけど大混雑の店内で4人一緒に食事し始め、いろんなことを話した。
ご夫婦は私たちより10歳くらい上で、子供が3人いて、でも年に一回は必ず夫婦二人で旅行するんだって。
 奥さんはとっても明るい方で、もともとキャリアウーマンで、結婚した歳があたしと一緒だった。
 旦那さんは主人のことを「ぼくの10年前を見てるようだ」と言って、ビールがどんどん進んでた。
あたしはこの出逢いを今も忘れられない。
今日という日にたまたま選んだお店で、陽気なポルトガル人に囲まれて、このご夫婦と一緒にご飯を食べ、お酒を飲んで、笑い合ったことは、なんだか、これからの私たちの人生がいいものになりそうな、今日という日がその始まりだというような、そんな気がした。
こうして、私たちにとってリスボンは忘れられない街となった。
リスボンに行くときはスニーカーを忘れずにね! 
