前のアパートを引き渡す日。
ドイツではアパートのオーナーのことをハウスマイスターと言います。
主人はハウスマイスターとの約束の時間の10分後、悲壮な顔をして電話をしてきた。
お風呂、トイレ、キッチン、やり直し。窓も外側を拭きなさいとのこと。
「え?外?!」
なんで窓の外なんか拭かなあかんの?雨降ったらどうするん?
主人は今から掃除に必要なものを買いに行くからすぐに来て。と。
あたし:えー!今から?!えー!
そう今日は4月29日。引き渡しの最終リミットはあした。
ぶつぶつ言いながらミーティングを明日に変えてもらい、どんべいをかきこみ、足りないものを調達して、重い足を引きずってもう二度と見ることはないと思った前のアパートへ戻ったわけです。
ドイツの水はミネラルの多い硬水です。
ドイツがこれ以上は硬水ですよ、としてる基準はWHOの基準では「超硬水」らしい。
つまり世界的に超硬水のドイツ。
最初は味の違いに戸惑ったほど。
からだや健康にはもちろん影響はないのだけれど、あたし的には嫌なことが2つある。
ひとつは石鹸の泡立ちが悪いこと。
パーフェクトホイップが泡立たない!なんと!
だからドイツでは泡で顔を洗うという習慣がないらしい。なんかいやよねぇ。
まぁこれについてはまたいずれ綴ります。
ふたつ目はカルキ。
そう!洗ってそのまま放置しておくと白い点々が残る、あれですよ!
カルキ自体はからだに悪いものじゃないらしいんやけど、洗ったものをそのまま置いとくと白い点々が残るのでなんかきれいになった気がしないよねぇ。
そしてこのカルキにあたしたち夫婦は取り乱されるわけです。
シャワー、シンクにこびりついたカルキ。
これをとるには、強力なアンチカルキスプレーといがいがのスポンジとゴム手袋を要する汗水流れる作業が必要になったわけで。
あたしこんなに必死に掃除したことないわー今までの人生。
きっちりものの主人はあたしが掃除したところを「あ、もうちょっとここ。」と言いながら掃除し直し。
窓は内と外、一点の曇りもないぴかぴかつるつるに掃除をする彼。
あたしは靴の下にぞうきんを引いて、足で床を拭く始末。
もういいだろう、と時計をみたら夜の9時だった。。。
だいじょうぶかな、と不安がる主人を引きずって家に帰り、掃除の日恒例のテイクアウェイで晩御飯。
翌日、朝からどきどきすると言って出かけたハウスマイスターとの2度目の点検。
30分後電話がかかってきて、書類にサインし、鍵を返したと。
「オールグッド!」と元気に電話がかかってきました。
ドイツで引っ越しをする際は入念に掃除することをおすすめします。